次世代の授業方法とも言われる反転授業は、スタンフォード大学で2011年から試行実験されて効果が出て、2013年2月には東京大学で反転授業に取り組むと発表がありました。
また、佐賀県武雄市では全11小学校で2014年春からタブレットを利用した反転授業が始まっています。
反転授業のメリットやデメリットを考察します。また、反転授業の問題点や、武雄市の取り組み内容など紹介します。
反転授業とは?
反転授業とは授業の進め方の呼び名で、
従来型授業は授業中に講義を受けることが中心で宿題として問題を解くスタイルで、
反転授業では講義を受けることが宿題(自宅予習)となり、授業中には講義内容の確認や問題を解くこと、わからない点を確認することが中心のスタイルです。
反転授業のメリットとデメリットを考えてみます。
反転授業のメリット
反転授業のメリットは、講義を受けることが予習になった事により、授業中に学びをアウトプットする事が出来る点が大きいと思います。
やはり、アウトプットしてやってみる中で学ぶこと以上に良い学びはありませんし、アメリカの大学生の試行実験では5%テストの結果が向上したというデータが出ています。
反転授業のデメリットや問題点は?
反転授業のデメリットや問題点は大きく3つあると考えられます。
1つ目は、予習が自宅であることから、自宅で予習をする為に、特に生徒が小さい場合は家族のサポートが必要になるという点です。
家族の負担が上がるでしょうし、時間的や経済的にお父さんお母さんがサポートすることが難しい世帯がある事も想像されます。
2つ目は、予習する為に、ハードウェア機器が必要。例えばiPadで予習すると、その機器の費用負担を親が行う必要があるという点です。
経済的に機器を買えない環境の人への配慮や対策た必要という事ですね。
3つ目は、教師のスキルが必要になるという点です。
求められる教師のスキルは2つあり、予習で見てもらう講義動画の説明スキルと、授業での子どものアウトプットや質問に柔軟に対応するスキルが必要という点です。
反転授業の本当のメリットとは?
反転授業を実践している方によると、反転授業の最大の長所は、
予習の学習効率を上げる事が出来る可能性を高められること
だと言われています。
従来は授業中に行われていた講義そのものの動画を自宅で見ることにより、
従来の授業では予習が教科書を読む生徒のセンス任せ
となっていた点が、 従来授業の講義を動画で予習して見ることにより予習の効率を高められるようになると考えられます。
さらに、授業時間にアウトプットを行うことにより、予習だけでなく、授業そのものの学習効率UPも見込めるといった良いスパイラルを生むことができる
これが、反転授業の最大の長所と言えるのではないでしょうか?
ただし、先に上げた3つのデメリットが消えたわけではありませんし、
反転授業の課題として、動画講義のレベルや、生徒の家庭内でのフォロー、講師のアウトプットへの対応力など
クリアしないといけない点がある事も事実です。
それでも、従来型の方法よりも、高い学習効率を得られる可能性が高くなるものであれば、より良い改善が加えられれば、素晴らしいですね。
参考にした、反転授業実践者のページはこちらです。
反転授業のメリットを感じられる動画
この動画を見て、反転授業の可能性を感じました。
初めての反転授業の映像記録である宮城県富谷町立東向陽台小学校の佐藤先生の6年生算数の反転授業の4分動画です
可能性を感じませんか?
反転授業の武雄市の取り組みとは?
佐賀県武雄市では全11小学校で2014年春からタブレットを利用した反転授業が始まっています。11校の全児童2849人に無償配布したそうで、反転授業の対象は3~6年生の算数と4~6年生の理科との事。
2015年春には中学校にも広げるそうですし、良いテスト結果が出ると良いですね。
まとめ
10年後には標準的な学習方法になると言われている反転授業。
課題はあるとは思いますが、課題を乗り越え、より良いスタイルで子どもや私たちが学習できる未来になると、素晴らしいですね。
反転授業の未来に注目しましょう!